
ちきーと
こんにちは。本日は投資環境を確認する指標としてEPUと社債スプレッドを観察。
比較の前提と結論
前提
- 期間:約32年間(1990年〜2022年)
- 想定:
- 投資家心理:EPUとVIXの関係性は?
- 信用サイクル:社債スプレッドとVIXの関係性は?
結論
- VIX指数の方が早い市場の動きを示すので投資家心理をいち早く計測する場合にEPUは不要。
- トレンドが一致。金利の動きは正確に現在の事象を示すと思うので有用な指標。
EPUとは
構成要素とは以下の通りです。
- 新聞記事の数(経済政策の不確実性に言及している)
- 将来期限切れとなる税制優遇措置の数
- エコノミストの経済予想に関するばらつき
EPU(経済政策不確実性):Economic Policy Uncertainty
EPUとVIXを比較してみる
- 大きな動きのトレンドが似ています。
- 投資家心理を計測するのがVIXである場合、EPUも同じ目的で使用可能ですね。
- VIXの方が若干上下動が激しい印象です。
- VIXとEPUの動きは似ているものの一部VIXの方が早く急落兆候を示す一方で、様子を見た上でEPUが下がるような動きにも見えます。

(参考まで)

BAA10Yとは
- 社債利回り – 国債利回り = 社債利回りスプレッド (e.g.10年、同年限)
- 株価は「見た目」。社債は「性格」。
- 新規借入の目的によって社債スプレッドが動く。
- 株価上昇+社債スプレッドの拡大は、危険信号。
BAA10Y Moody’s Seasoned Baa Corporate Bond Yield
景気が悪い時ほど、格付けが低い企業ほど、資金調達コストが高くなるため、利回りが高くなる。
景気が良いと企業信用力上昇、資金調達コストが下がる。
BAA10YとVIXを比較してみる
- 想定以上にトレンドの動きは一致。
- VIXは国債と社債の利回り差とトレンドの動きは同じになると思って良さそうです。
- 信用サイクルの指標として社債スプレッドは使用可能!

- 相関分析をしてみる。
- 想定よりはばらつきが大きいので分散説明率の数値は低い。

- Bondの数値が4未満でに限定して相関性を確認。より小さくなった。
- スプレッドが大きい値の時の方が相関しやすいのかな?

分析に関して
note
- EPUはVIXとの相関性を確認できたものの、「投資家心理」の指標としてはVIXだけで十分。
- 社債スプレッドは信用リスクを如実に示してくれると思うので、「信用サイクル」の指標として使用予定。
- 「投資関心理」・「信用サイクル」に加え、「金融サイクル」に関する指標も次回以降確認する。
次回確認したい指標
『英語の経済指標・情報の読み方』で紹介されていた残りの指標(以下)についても今後「金融サイクル」に関連する指標として確認したいと思います。
- 雇用統計(米国非農業部門):U.S. Bureau of Labor Statistics
- ISM(米国製造業景況感):Institute for Supply management
- EU失業率:Eurostat
- CLI(OECD景気先行指数):Composite Leading Indicators